介護保険タクシーとはその名の通り、介護保険の適用を受ける介護タクシーですが、

その開業には難解な手続きや知識が必要とされ、簡単には行きません。

別に大げさに言っているわけではありません。

介護保険は国民から徴収した云わば血税であり、適用がふさわしくない事業者への流入や

必要のない場所への流入は絶対に許されません。

それだけに、開業の際の手続きには厳格な審査が設けられておりますし、介護保険や介護制度に

関する知識をしっかりと理解し、開業後も法令に則り確実に管理しなくてはなりません。

介護保険タクシーに必要な手続きや許可を受けて開業すれば介護保険が適用となり

利用者様の負担が1割に軽減されると考えてご相談にいらっしゃる方は非常に多いです。

介護保険の適用型なのだから当然のようにも感じられますが、仕組みとしては違います。

そもそも運輸局（国土交通省）管轄の介護タクシーには介護保険という概念はありません。

つまり、運賃には介護保険の適用はないのです。

では、なぜ介護保険タクシーなのかと言えば、病院などへの通院で輸送手段が必要となった際に、

車両への乗り降りなどを含めた一連の介護を施した際の報酬として介護保険が適用されるのであり、

介護保険タクシーを利用した際の利用者負担は、乗り降りなどの介助（介護保険適用）+

輸送運賃（介護保険適用外）を支払うこととなります。

しかし、事業者によって輸送運賃は各々設定が可能ですので、介護保険が適用される分、

運賃を低めに設定するなど、トータルでの利用者負担を抑えるといったことが可能なのが、

介護保険タクシーの強みです。

集客の方法や運賃の設定方法によっては、他の事業者との差別化が可能であると言えるでしょう。

※ 詳細については通院等乗降介助もご参考にして下さい。

通常の介護タクシーを開業する場合には介護タクシー許可を受けることで開業が可能ですが、

介護保険タクシーの開業には介護タクシー許可とは別に訪問介護事業所の指定を

受けなくてはなりません。

また、訪問介護事業所の設立や介護保険を適用させるための手続きなどが非常に多く存在し、

開業の際の手続きとしては難易度や求められる知識はかなり高いものがあります。

介護保険タクシーを開業する際に必要な主な手続きとして、介護保険タクシーに

必要な手続きや許可を受けて開業すれば介護保険が適用となり

この他にも、開業するまでには車両のメーターの取り付けや車両登録、保険への加入、

生保取扱いの指定申請、必要に応じて定款の目的変更などなど、これ以外にもまだまだありますが、

非常に多くの手続きが待ち受けているのと同時に、あまり知られていない手続きなども

多く存在するために本当に難解な手続きとなります。

介護保険介護タクシーは一部、介護保険が適用となり事業所による企業努力次第では、

利用者にとって非常に負担が軽く、利用しやすい輸送手段である旨は前述しましたが、

だからといって簡単に集客ができるわけではありません。

介護保険介護タクシーによる輸送で介護保険が適用されるためには、ケアプランに基づく

輸送でなければなりません。つまり、介護事業所として利用者との契約が必要です。

良く言われるのはケアプランを作成するケアマネと連携を密にし、利用する際には

選ばれる事業所になるのが一番と言われますが、本当にそうなのでしょうか？

勿論、これも大きな集客手段であり、絶対に抑えるべき方法ではありますが、

こればかりにも頼っていられません。

事業所毎での有効な集客方法を一緒に考えて行く必要がありそうです。

開業準備にはしっかりと時間を掛けなくてはなりませんし、実際に掛かります。

開業までに必要な期間としては最低半年は見た方が良いかと思います。

必要な車両の準備や営業所の準備、許可を取得してから実際に開業するまでの間に

やらなくてはならないことも沢山ありますので、事前に段取りを組んでおかなくてはなりません。

開業するまでに必要な審査期間としては概ね4ヶ月程度です。

この期間はどのように段取りをするかや、優先順位、現在の状況などによって

大きく変わりますが、ゆとりをもった長期の計画で開業準備を進めてください。

介護保険介護タクシーは開業するまでの道のりはとても長いのが特徴です。

様々な法律知識が求められる点と、申請書類の多さや申請先が多岐に渡る点、段取りによっては

大きく開業が遅れてしまう危険性がある点など神経を研ぎ澄まして手続きを進めて行かなければ

順調に開業にたどり着くとは到底思えないほどの難解手続きです。

開業する際の準備は申請手続きがメインであってはいけません。

開業後、できるだけ早い段階で軌道に乗せるためには事業計画や運営上必要な準備などを

優先して行わなければ成功はありえません。

思うように進まない方や不安を抱えている方など、お気軽にご相談ください。

事業の開業を一緒にお手伝いさせて頂ければと考えております。